菱マンガン鉱、閃亜鉛鉱&重晶石
(Rhodochrosite, Sphalerite & Baryte)

Locality: 北海道二海郡八雲町鉛川八雲鉱山
(Yakumo Mine, Namarikawa, Yakumo Town, Futami District, Hokkaido, Japan)
Size: 52mm x 52mm x 30mm
Weight: 141g

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商品説明
 菱マンガン鉱の塊を開いた北海道八雲鉱山産の標本で、閃亜鉛鉱や重晶石、L字型に走る黄鉄鉱も伴った、産状の良くわかる逸品です。独特の鮮やかなピンクの美しさも堪能できます。

各鉱物の特徴
<菱マンガン鉱 (ロードクロサイト/Rhodochrosite)>
 濃紅色〜淡いピンク色の菱形六面体、犬牙状、釘頭状、葉片状、粒状、塊状、鍾乳状等で熱水鉱脈や接触変成鉱床中、ペグマタイト等に産出します。方解石中のカルシウムがマンガンに置換された鉱物で、良く似たバラ輝石(Rhodonite)とは硬度が低いことで識別できます。有名産地の標本は特に高価で、アメリカのSweet Home Mineや、南アフリカのN'Chwaning Mine、本鉱にインカローズという愛称の付いたアルゼンチンのCapillitas Mine、また国内でも尾太鉱山や、稲倉石、積丹ルビー等の愛称で親しまれる稲倉石鉱山に産する標本が代表的です。
<閃亜鉛鉱 (スファレライト/Sphalerite)>
 純粋成分の無色や白から、鉄の含有量の増加と共に、透明薄黄緑色(Cleiophane)、黄褐色、赤褐色(Ruby Blende)、黒色不透明(Marmatite)と色調が変化していく鉱物で、日本でも透明感のある黄褐色〜赤褐色のものはべっ甲亜鉛の名で親しまれています。六方晶系のウルツ鉱(Wurtzite)とは同質異像で、自形結晶が明瞭な場合のみ肉眼でも識別できます。方鉛鉱、黄銅鉱、黄鉄鉱等と共に、 熱水鉱脈、黒鉱鉱床、接触交代鉱床等に産出し、結晶形態は四面体、八面体、十二面体と多様でスピネル式双晶も多く見られます。方鉛鉱(Galena)や白鉄鉱(Marcasite)等を含む褐色の層状鉱はシャーレンブレンド(Schalenblende)という鉱石名で呼ばれる他、閃亜鉛鉱の二次鉱物としては、菱亜鉛鉱(Smithsonite)、異極鉱(Hemimorphite)、水亜鉛銅鉱(Aurichalcite)などがあり、登場する機会の多い鉱物です。
<重晶石 (バライト/Barite/Baryte)>
 無色〜白色、黄色、褐色、淡青色、淡緑色等の豊富な色調を伴い、斜方板状や柱状、塊状、繊維状等で中低温の熱水鉱脈や石灰岩中等に産出します。地下水の蒸発により砂中に生成される花弁状の重晶石は、石膏(Gypsum)によるものと同様、砂漠の薔薇(Desert Rose/Sand Rose)の名で親しまれています。また類質同像の硫酸鉛鉱(Anglesite)や天青石(Celestine)とは固溶体の関係にあり、ラジウムにより放射性をもった含鉛重晶石(北投石)もかつて注目を集めました。
<黄鉄鉱 (パイライト/Pyrite)>
 稜に平行な条線が発達した六面体や八面体、五角十二面体、またその組み合わせによる淡い真鍮色の結晶が典型で、熱水性鉱脈鉱床、接触交代鉱床、黒鉱鉱床等に広く産出します。黄銅鉱(Chalcopyrite)とは黄色味が薄いことや、条痕が黒いことで識別できますが、同質異像の白鉄鉱(Marcasite)とは、明確な結晶形が出ていない限り識別が困難です。自然金とも色調が似ているため愚者の金(Fool's Gold)という俗称もあります。球顆状の集合体や薄く放射状に集合したもの(Pyrite Sun)、黄鉄鉱化アンモナイト、また国内では「武石」や「枡石」とも呼ばれる褐鉄鉱化した仮晶まで、色々なパターンで出会える面白い鉱物です。

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▲▼ 菱マンガン鉱を主役にバラエティに富んだ、産状の良くわかる生々しい貴重な標本です。

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▲▼ 左には一部べっ甲気味の閃亜鉛鉱がメタリックに輝き、真ん中には縦に重晶石のラインが走っています。さらにその右にはL字型に入った黄鉄鉱が煌いています。菱マンガン鉱の色合いも大変美しく、全体に所々微小な自形結晶も見られます。

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▲▼ 右下辺りには、スライス状にされた菱マンガン鉱でお馴染みの、美しい層状の模様が出ています。下画像は底面で、こちらにもL字型の黄鉄鉱が走っています。菱マンガン鉱の様々な色合いや、共生鉱物も存分に楽しめる秀逸な標本です。

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北海道八雲鉱山産 菱マンガン鉱、閃亜鉛鉱&重晶石 (Rhodochrosite, Sphalerite & Baryte / Japan)

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3,600円(税込)

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