Pyrrhotite, Magnetite & Quartz
Locality: Trepča Stan Terg Mine, Trepča complex, Trepča valley,
Kosovska Mitrovica,
District of Kosovska Mitrovica, Kosovo
Size: 61mm x 59mm x 39mm
Weight: 206g
商品説明:
六角板状の自形結晶を撓らせながら折り重なる美しいブロンズ色のピロータイトと、その隙間から溢れ出る様に散開するマグネタイト、そして内側から突き破って出て来たかの様な鋭くパワフルなクォーツが見事なバランスで共生するコソボ産のハイグレード標本です。
ローマ時代や中世から続くとも言われる長い歴史を持つこの産地では、硫化鉱物を中心に現在60をも超える種の鉱物が報告されています。鉄分の豊富な漆黒の閃亜鉛鉱(Sphalerite/Marmatite)や、様々な晶癖を成す方鉛鉱(Galena)と硫砒鉄鉱(Arsenopyrite)、また黄鉄鉱(Pyrite)のみならず時には方鉛鉱の仮晶をも見せる磁硫鉄鉱(Pyrrhotite)、方解石(Calcite)を黒く着色するタワシの様なブーランジェ鉱(Boulangerite)、クリームピンクの大きな菱面体の苦灰石(Dolomite)、そしてそれらを花飾りの様に美しいピンク色で彩る菱マンガン鉱(Rhodochrosite)の個性的な共生標本には、形容し難い独特の不思議な違和感とエキゾチックな風合いがあり、様々な組み合わせで驚かせてくれます。また球状や花弁状に集合した白〜クリーム色の菱鉄鉱(Siderite)は菱マンガン鉱との中間種と考えられ、現地では”White Rhodochrosite”としても認識されています。さらに藍鉄鉱(Vivianite)やチルドレン石(Childrenite)、ラドラム鉄鉱(Ludlamite)等の美しい燐酸塩鉱物が産するのも大きな特徴の一つです。蛍石(Fluorite)の報告こそ未だ無いものの、Dal’negorskのNikolaevskiy MineやMexicoのSanta Eulalia、中国のYaogangxian Mine等の標本がお好きな方には是非ともお薦めしたい産地です。
各鉱物の特徴:
<磁硫鉄鉱 (ピロータイト/Pyrrhotite) - Fe7S8 / Monoclinic - >
鉄と硫黄の割合によって磁性の強弱が変化する鉱物で、通常塊状や粒状で産出し、六角板状や柱状の自形結晶も見られます。ブロンズ色の金属光沢で、空気中では酸化により褐色に変化し易いのも特徴です。塩基性マグマの分化鉱床、接触交代鉱床、熱水鉱脈などに、黄銅鉱(Chalcopyrite)や黄鉄鉱(Pyrite)、キューバ鉱(Cubanite)等の他の硫化鉱物と共に広く産出します。重要なニッケル鉱資源となるペントランド鉱(Pentlandite)と混ざり合って産出することも多く、含ニッケル磁硫鉄鉱の通称で呼ばれることもあります。
<磁鉄鉱 (マグネタイト/Magnetite) - Fe2+Fe3+2O4 / Isometric - >
結晶及び条痕が黒色で、強い磁性を持つスピネル構造の鉱物です。分布は非常に広く、火成岩及び変成岩の造岩鉱物として、また接触交代鉱床や高温の鉱脈鉱床などに、塊状や八面体、ごく稀に立方体や十二面体でも産出します。風化に対する抵抗力が強く、分離した結晶が砂鉄としても集積します。
<水晶(クォーツ/Quartz) - SiO2 / Trigonal - >
肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。
パワーストーンとしての意味・効果:
<磁鉄鉱 (マグネタイト/Magnetite)>
愛や求めるもの、魂の成長材料等を引き寄せたり、悲しみや恐れ、怒りを取り払ったりするのに使われる他、粘り強さや忍耐力、客観的に物事を見る力を与えて状況を好転させる助けとなってくれます。瞑想状態への導入と維持、そして宇宙のエネルギーと繋がることを容易にする共に、グラウンディングコードを強化しエネルギーバランスを調節してくれる働きもあるそうです。
<水晶(クォーツ/Quartz)>
水晶はその高い波動で私達の心身をよりクリアーな状態に導いてくれます。ネガティブなエネルギーを浄化し振動数を上昇させるとともに、他の次元と繋がり易くさせる働きもあります。
▲▼ 個人的に硫化鉱物一格好良くて面白いと思う鉱物、ピロータイトをマグネタイトとクォーツが絶妙なバランスとデザインでさらに格好良く仕立て上げてくれた理想的な標本です。
▲▼ ピロータイトの隙間から零れ落ちる様に溢れ出たマグネタイトと、内奥から突き破って生えて来たかの様なシャープでワイルドなクォーツが何とも格好良くて惚れ惚れします。身を撓らせる様に積み重なるピロータイトの結晶も見事で、輪郭のギザギザ感もたまりません。
▲▼ 美しい六角板状の結晶が、深みのある引き締まったブロンズ色でギラつきます。照り艶に色合いも実に素晴らしい美晶です。
▲▼ 歯車の様に連なるメタリックでメカチックなピロータイトの上を、モコモコと丸味のあるマグネタイトが這い回っている不思議なコントラストに、自然の底抜けな面白さを感じます。
▲▼ ピロータイトの隙間から押し出される様にマグネタイトが湧いています。パイライトやガレーナ以外にマグネタイトもピロータイトの仮晶を成すことがあるので、一部置き換わっているのかもしれません。
▲▼ こちらも爆発したかの様なクォーツと、ずっしりと重みのあるマグネタイトとのコントラストが格好良いです。ピロータイトに共生するクォーツには、日本の蛍鉱山を彷彿させる針状に近いシャープなタイプが多く見られます。
▲▼ この武骨な怪物の様な重厚感がたまりません。マグネタイトも綺麗な条線の見られる美晶で一杯です。
▲▼ 溶かされた様なギザギザの外殻と所々に見られるギトギトのイリデッセンスが、ずっしりとしたブロンズ色にとても良く映えます。
▲▼ 行く当ても無く雑然と密集してしまったマグネタイトが可愛らしくも感じます。下画像、この何とも言えない美しくも格好良い色合いとギラつきはピロータイトならではです。
▲▼ 真上側からのアングルです。この入道雲の様な無言の威圧感と迫力がたまらなく格好良いです。素晴らしい充実度です。
▲▼ モゾモゾと這い回る様なマグネタイトと、凛とした生け花の様なクォーツの、それぞれに饒舌で魅力溢れる対照的な姿が実に印象的です。
▲▼ この微妙にずれながら撓って積み重なるカーブ感もピロータイトの非常に大きな魅力です。全域に散らばるオレンジ色の付着物はシデライトです。
▲▼ 共生鉱物の芸術的なコラボレーションによりピロータイトの個性的な魅力が強く惹き立てられた、理想的とも言える実に見事な標本だと思います。あまり馴染みの無かった方もピロータイトの虜になるかもしれません。