Etched Smoky Quartz & Epidote
Locality: Strzegom (Striegau), Lower Silesia, Poland
Size: 76mm x 26mm x 22mm
Weight: 56g
商品説明:
トライゴーニック入りのセプター状に溶解された、ファントムとエピドートのインクルージョンが美しいとてもレアな蝕像煙水晶です。
この産地の標本は沢山見てきましたが、恐らくこれを逃したらもう出会えないような非常に貴重な一品だと思います。トップはシトリンに近い色合いで、抜群の透明度の中にはっきりとしたスモーキーのファントムが見えます。ファントムの頂上部からはエピドートが放射状に伸びていて、凛としたファントムと相まってとても神々しいです。エピドートは内部のファントム周辺にパラパラと内包されている他、残された表面や溶解面との境目に集まってこびりつくように貼り付いています。多少のトライゴーニックはあるものの何故トップだけこのように極端に綺麗な形で残されたのかも不思議ですが、柱面上にも段差のある不自然な模様ができていて、どのように成長したのか非常に興味深いです。写真ではお伝えできない煙水晶の蝕像ならではの質感と色合いも素晴らしいですし、柱面にできた裂け目の中まで美しく溶けている様子が確認できて、ルーペで何時間でもこの煙水晶の上を旅できるほど、沢山の見所があります。是非お手にとってご覧いただきたいと思います。
この産地のペグマタイトからは煙水晶・黒水晶の内外に伴って様々な種類の鉱物が産出されます。緑簾石(Epitdote)、束沸石(Stilbite)、菱沸石(Chabazite)、バベノ石(Bavenite)、蛍石(Fluorite)、斧石(Axinite)、満礬ざくろ石(spessartine) 、緑泥石(Chlorite)、スチェゴマイト(Strzegomite / FeとAlを多く含んだ黒っぽいクローライト種の現地通称名)、微斜長石(Microcline)、アマゾナイト(Amazonite)、曹長石(Albite)、クリーブランド石(Cleavelandite)、黒雲母(Biotite)、電気石(Tourmaline)、方解石(Calcite)、黄鉄鉱(Pyrite)など定番から珍しいものまで水晶に内包もしくは付随して見られるので視覚的にも魅力が尽きない楽しい産地です。注意深く探すと記載がなくてもこれらのものが微量に含まれていることが多々あると思うので、お手元に届いたら是非探してみてください。
各鉱物の特徴:
<煙水晶(スモーキークォーツ/Smoky Quartz)>
水晶中のアルミニウム・イオンが放射線に反応することにより、このように茶色又は黒っぽい色になります。この原理を利用した人工着色のものもありますが、いずれも安全性の面で問題はありません。こちらは天然の煙水晶です。光を透過させない程に黒い煙水晶はモリオン(黒水晶/Morion)とも呼ばれています。
<蝕像水晶(エッチドクォーツ/Etched Quartz)>
地中の温度や圧力の変化、フッ化水素を含んだ熱水の浸蝕等により水晶が溶解されることで、表面に蝕像ができたり、その後の再結晶も伴って独特の複雑な形状が造られたりします。これらの様相が結晶構造の手掛かりとなるため研究にも利用されます。
<緑簾石(エピドート/Epidote)>
カルシウム、鉄、アルミニウム等からなる珪酸塩鉱物のグループ名兼そのうちの一種の名称で、変成岩中や火成岩中に産出します。針状、粒状、板柱状の結晶と伸長方向に並行な条線が特徴で、緑から黄色の場合が多いですが、鉄の含まれる量が多いと黒っぽくなり、アルミニウムが多いと灰色や淡褐色になる多色性が強い鉱物です。
パワーストーンとしての意味・効果:
<煙水晶(スモーキークォーツ/Smoky Quartz)>
全てを優しくほぐし、柔らかなグラウンディングを促してくれる石です。思考や感情の過活動状態や鋭利さを和らげ、穏やかさと静けさを取り戻させてくれます。内外のネガティブさや様々なエネルギーの影響を緩和する衝撃吸収剤のような保護力もあります。
<蝕像水晶(エッチドクォーツ/Etched Quartz)>
物質世界で纏った制限や二元性をリセットし、我々が本来完全で無制限な光の存在であることや、毎瞬自分で新しい自分を創造していることに気づかせてくれます。何かを誘っているような水のエネルギーも感じられますが、丁度ハートとマインドの葛藤や衝動の軋轢を溶かして流してくれる、リフレッシュの清めの水のようでもあります。水は命の源であり古からのあらゆる情報や意志、智恵、内なる力を保持し伝達すると言われています。
錐面に現れる逆三角形の蝕像はトライゴーニックと呼ばれ、生と死、即ち肉体と魂の絆を強め、物質世界と精神世界との往来をサポートしてくれるそうです。魂の再統合、再構成を促し、物質世界の自分に新鮮でピュアな光を降ろします。
<緑簾石(エピドート/Epidote)>
自己提示やアイデンティティの明確化を助け、そこにくつろがせてくれます。悲しみや不安などの不活発性のマイナス感情を溶かし、ネガティブなエネルギーに波長を合わせないよう見守ってくれる石です。
▲▼ 右下の方が深くえぐられており、曲がり水晶のようにも見えます。下へ行くほど色が薄くなっています。こちらの面のみ元々の柱面がかろうじて残っています。
▲▼ 背面はこのようにトップがセプター状に残されています。柱面の蝕像水晶ならではのざらざらとした質感がたまりません。溝もたくさん出来ています。
▲▼ トップはゴールドと言ってもいい美しい色合いと透明度です。黒い滑らかなファントムの表面上に星のように白い粒々が見えます。このファントムは濃くはっきりと見えるのですが、意外にも簡単に光に透かせます。
▲▼ 溶解面との境界に沿ってエピドートが内包されています。元々は柱面の下の方まで敷き詰められていたのでしょうか。
▲▼ 上下それぞれ対角線上に位置する柱面ですが、エピドートがびっしりと付いています。
▲ 光が反射して少しわかりにくいですが、こちらの残された柱面には水平方向に入った小さな蝕像が沢山見られます。
▲▼ ファントムの頂上からエピドートが放射状に伸びていてかなりのインパクトです。
▲ 見えにくいですが小さなトライゴーニックがパラパラとあります。三つ下と四つ下の画像が光の当て方を変えたもので多少逆三角形が確認しやすいです。
▲ 背面に付随する小さな水晶の錐面にもトライゴーニックが確認できます。
▲ 光の当たっている柱面に段差のある不思議な模様ができています。成長の痕跡だと思いますが、右上には平行四辺形が刻まれています。
▲ 一部しか写っていませんが左の柱面にも不思議な模様ができています。