商品説明：
　瓦礫の山の様なワイルドな結晶の塊に、シャープなポイントがグラファイトのインクルージョンでシルバーに煌めく、オーストリア産のユニークな標本です。何処を切り取っても格好良くて面白い、非常に充実した標本です。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

＜石墨 (グラファイト/Graphite) - C / Hexagonal -＞
　黒色〜銀灰色の塊状、土状、稀に六角板状で、片麻岩、結晶片岩、結晶質石灰岩、泥質岩、石炭層等に多く産出します。炭素原子が互いに３つずつ結合し合い、平面的に広がった蜂の巣模様の構造をしたものが、弱いファンデルワールス結合によって積み重なっているため、劈開が完全で鱗片状に剝がれやすく、軟性と滑性に富んでいます。黒鉛とも呼ばれ鉛筆にも使われますが鉛ではなく、電気の良導体ともなります。地下130kmよりも深い場所でのみ安定するダイヤモンド(Diamond)とは、同質異像の関係であることでも有名です。石墨の条痕は黒色ですが、良く似た輝水鉛鉱(Molybdenite)とは、条痕が鉛灰色であることで識別できます。天然の炭素の多形には、石墨、ダイヤモンドの他に、チャオ石（Chaoite）とロンズデール石(Lonsdaleite)があり、どちらも隕石が石墨を含む片麻岩に衝突するか、隕石同士の衝突といった瞬間的な超高圧が起こることによって形成されます。源となった炭素は生命起源のものと、生命を持たない有機物や炭化水素などが考えられています。鉱物標本の世界では、透輝石(Diopside)や ノルベルグ石(Norbergite)、タンザナイト(Tanzanite)等と共生する姿を目にすることが多いです。

▲▼　結晶の断片が積まれた様な瓦礫の山の一角に、一際端正で美しいポイントが、不敵な銀色に輝いています。

▲▼　シルバーの発色の要因は、舞い上がる灰のように内包されたグラファイトです。下画像中央の様に、所々グラファイトが外気に表出しています。

▲▼　照り艶も素晴らしく、とても瑞々しいポイントです。下部の錐面に張り付いた結晶断片も、内部の吹き荒れる灰の嵐ようなグラファイトとリンクして、生き生きとした躍動感があります。

▲　このポイント腹部のムキムキパンパンな感じも、個人的にはツボです。

▲▼　背面中央の結晶の合間からもグラファイトが顔を出しています。

▲▼　底面側と真上側です。どちらも荒々しく結晶が積み上がっています。

▲▼　どのアングルから見ても、凄まじい力強さと、鋭く儚げな美しさで溢れています。

▲▼　思わず惹き込まれるような力強さと格好良さに満ちた、とてもユニークな標本です。