商品説明：
　優しい透明感の深いグリーンに癒される、チェコ産のモルダバイトです。長板状の美しい形状と、激しい躍動感を伴うユニークな形状とのペアの標本セットです。

各鉱物の特徴：
＜モルダバイト (Moldavite) - SiO₂(+Al₂O₃) / Amorphous - ＞
　今から約1500万年前、ドイツのバイエルン州西部のネルトリンゲンに隕石が落下した衝撃で生成された、テクタイト（Tektite）の一種です。この時に形成された隕石クレーターは、リース・クレーター（ネルトリンガー・リース）と呼ばれ、直径約24kmにも及ぶ盆地となっています。テクタイトは隕石衝突時に溶かされた地表成分が吹き飛ばされ、大気圏内外で冷え固まって生成された天然ガラス（Natural Glass）で、一定した化学成分も持たず非晶質なため鉱物としては認められません。飛散地域（Strewn field）やクレーターによって、他に北米テキサスのベディアサイト（Bediasite）やジョージアのジョージアイト（Georgiaite）、ガーナのアイボライト（Ivorite）、オーストラリアのオーストラライト（Australite）等に分類されています。
　モルダバイトは平たく細長い屈折した雫型が多いものの、球体や円盤型等様々な形状でも産出します。成分構成はSiO₂が約80%で、他のテクタイトに比してK₂Oが多い一方、Al₂O₃、TiO₂、FeO、Na₂Oの少なさが特徴的です。薄緑色から茶色の色彩は、Fe(II)やFe(III)、Mn(II)等に起因し、透明度の高さはTiO₂とFeOの少なさに因ります。全体の99%がチェコの南ボヘミアから、そして残りの1%がモラヴィア、ごく少量がオーストリアのヴァルトフィアテルやドイツのラウジッツ、ポーランド南西地域等から産出し、最大500km近い距離まで産出地域が広がっているものの、現存するモルダバイトは、隕石衝突時に生成された100万トンのうちの僅か1%に過ぎないと見積もられています。

▲▼　強い光源下では同じ色合いのグリーンが浮かび上がります。小さい方は正に飛び散っている最中に固まった雫の形状をしています。