商品説明：
　骨太で大きく力強いポイントが所狭しと林立した、クル渓谷産らしいピンキッシュなクラスターですが、背面が大胆に削り落とされ、一面に緻密な再結晶が広がっています。大迫力と美しさに息を呑む、驚愕の面白標本です。

＜Kullu Valley＞
　"Valley of the Gods"とも呼ばれるクル渓谷は、インド北部のヒマラヤ山脈西方に位置する産地で、マナリ(Manali)やパルギ(Palgi)、ダーラ(Dhara)、マニハール(Manihar)、マニカラン(Manikaran)、パルバティ渓谷(Parvati Valley)等の水晶の名産地に囲まれています。鉄分の優しい薄ピンク色に染まった、端正でスタイリッシュなものから、ワイルドで独創的な形状を示すものまで、バラエティに富んだ水晶が産出されます。中でもアイスクリスタル(Ice Crystal)またはニルヴァーナクォーツ（Nirvana Quartz）とも呼ばれるエッチドクォーツは長年人気を博しています。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

＜緑泥石(クローライト/Chlorite) - A_5-6T₄Z₁₈ (A = Al, Fe²⁺, Fe³⁺, Li, Mg, Mn, or Ni / T = Al, Fe³⁺, Si, combination / Z = O and/or OH) / Monoclinic - ＞
　10数種ある緑泥石のグループの総称で、種によってマグネシウムや鉄、アルミニウムなどを主成分とします。鉄の含有率に比例して色調が濃くなり黒に近付きます。輝石や角閃石、黒雲母などが変質した石として、火成岩中や熱水鉱床の中にも広く見られます。独立した鉱物名ではありませんが、不特定な緑泥石グループの鉱物のことを単に緑泥石と呼ぶのが通例になっています。

▲▼　様々な形状の個性的なポイントが並んでいます。背後は一刀両断されたかのように削り取られ、再結晶しています。

▲▼　下に向かって再結晶している部分が溶けているように見えて、若干のおどろおどろしさと異様な形状に驚かされます。

▲▼　この辺りの形状も非常にユニークでインパクト大です。

▲▼　クローライトを含むトップ部分も、蕾の様な面白い形状と、こびりついたゲーサイトが印象的です。

▲▼　意外に端正でクリアなポイントも含まれています。下画像の仲良く並んだ双子の様なポイントも可愛らしくて愛着が湧きます。

▲▼　緻密で美しい再結晶の波がぶつかり合い、所々複雑な動きを見せています。

▲▼　当産地らしいパワフルでユニークな、大迫力の贅沢標本です。