商品説明：
　不透明なニードルクォーツのクラスター上に、大きな芋虫の様なピロータイトの一群がマウントを取った、強烈なインパクトを放つダルネゴルスク産の標本です。芋虫からもじゃもじゃと生えるブーランジェライトも一層の禍々しさを与えています。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。

＜磁硫鉄鉱 (ピロータイト/Pyrrhotite) - Fe₇S₈ / Monoclinic - ＞
　鉄と硫黄の割合によって磁性の強弱が変化する鉱物で、通常塊状や粒状で産出し、六角板状や柱状の自形結晶も見られます。ブロンズ色の金属光沢で、空気中では酸化により褐色に変化し易いのも特徴です。塩基性マグマの分化鉱床、接触交代鉱床、熱水鉱脈などに、黄銅鉱(Chalcopyrite)や黄鉄鉱(Pyrite)、キューバ鉱(Cubanite)等の他の硫化鉱物と共に広く産出します。重要なニッケル鉱資源となるペントランド鉱(Pentlandite)と混ざり合って産出することも多く、含ニッケル磁硫鉄鉱の通称で呼ばれることもあります。

＜ブーランジェ鉱 (ブーランジェライト/Boulangerite) - Pb₅Sb₄S₁₁ / Monoclinic - ＞
　熱水鉱脈中に方鉛鉱(Galena)や黄鉄鉱(Pyrite)、閃亜鉛鉱(Sphalerite)、砒四面銅鉱(Tennantite)等の硫化・硫塩鉱物や、石英、炭酸塩鉱物等と共に、長柱状や針状、繊維状、塊状等で産出します。綿毛の様に密集した毛状結晶や、針状結晶が平行に集合して緻密な塊にななっているものなど特徴的な形状が人気を博しています。ブーランジェ鉱や毛鉱(Jamesonite)がビンドハイム石(Bindheimite)を成すこともありますが、毛状を成す鉱物は多いため肉眼による判別は困難です。

▲▼　六角板状の特徴的な結晶が無数に折り重なって、緩やかな弧を描きながらクラスター上に覆い被さっています。クラスターや他の結晶との接合部を中心に、ブーランジェライトが不気味に生い茂っています。

▲▼　ふてぶてしいまでの重量感溢れる佇まいに圧倒されます。無数に折り重なる結晶の上には、所々鋭角に煌めく微細なアーセノパイライトらしき結晶が見受けられます。

▲▼　このモリモリモコモコしたボリューム感もたまりません。

▲▼　水晶との接触部周辺から針金の様なブーランジェライトが大量に突き出ています。

▲▼　ピロータイトの結晶上やその間にも、かなりの迫力と禍々しさでブーランジェライトが蔓延っています。

▲▼　白濁した珊瑚の様なニードル状のクォーツもかなり個性的です。断面からクリアな内部も覗いています。

▲▼　強烈なインパクトと充実度を誇る、殿堂入り級の稀有な標本です。