商品説明：
　雪のような束沸石を纏い、微細な赤い楔石や緑泥を散りばめた神奈川県玄倉産の水晶クラスターです。水晶内には緑簾石も見られ、これ程共生鉱物が豊かでかつスタイリッシュな標本は国産では稀少です。

各鉱物の特徴：
＜水晶(クォーツ/Quartz) - SiO₂ / Trigonal - ＞
　肉眼で結晶の形状が確認できる石英のことを水晶といいます。実際には様々な種類や形状がありますが、透明度が高く六角柱状で三角形の錐面を持つのが一般的です。
＜束沸石(スティルバイト/Stilbite-Ca) - NaCa₄(Si₂₇Al₉)O₇₂ · 28H₂O / Monoclinic - ＞
　無色、白、ピンク等の色でガラス光沢および真珠光沢を示します。扁平な柱状結晶で束状の形を作ることが鉱物名の由来です。花崗岩ペグマタイトの空隙、安山岩や玄武岩の気孔、凝灰岩や火成岩中の脈中などに広く産出します。
＜楔石 (チタン石・チタナイト/Titanite) - CaTiSiO₅ / Monoclinic - ＞
　金剛光沢の黄色や緑色、赤褐色、灰色、またそれらの中間色等で、火成岩やそのペグマタイト、また変成岩中等に自形結晶や塊状で産出します。日本名は結晶の断面が楔型に見えることに由来する他、スフェーン(Sphenes)という宝石名も持ち、屈折率が高く透明度の高いものはカットして宝石にもされます。理想的な化学式に近いものが少ない鉱物で、成分中のカルシウムは、ナトリウムや希土類によって一部置換され、またチタンもアルミニウムや鉄、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、錫などにより置換されます。チタン石の錫置換体はマラヤ石(Malayaite)と呼ばれています。

▲▼　モコモコとした純白の束沸石が、残雪のようにポイントに絡み付いています。

▲▼　画像左下の横向きのポイントの内部に、緑簾石と思しき緑のラインが走っています。標本の表面全体には緑泥石と、微細な赤い楔石が散見され、中心部のポイント群は激しい干渉で切り刻まれています。

▲▼　水晶と束沸石の絡み合いが実に見事です。当産地ならではの個性的な景観です。

▲▼　景観も共生鉱物も非常に豊かで、これだけ様々な要素が盛り込まれているにもかかわらず、綺麗でスタイリッシュにまとまった素晴らしい標本です。